仕上げ実績・ブログ - パウダーコート不適正な素材について
2014.10.29
曲り、ガリ傷よりも腐食によるパウダーコートの不具合について
腐食の有るWORK2Psハメ殺しと腐食の無いWORKみたいな2Psハメ殺しの2台のパウダーコートです。
パウダーコートの丸塗りは何てことの無く簡単そうに見えてブログとしてはインパクトにやや欠けますが今回のテーマは酷い曲り、ガリ傷修理は基より腐食の有無による高温焼き付けでのパウダーコートの影響について紹介します。
曲り、ガリ傷などパウダーコートには何ら影響しませんが、腐食の酷いモノはパウダーコート高温焼き付けにより確実に発砲します。
パウダーコート高温焼き付けによる「ブツ、気泡、湧き」を消すために研磨、パテ埋め、サフなど溶剤カラーで追加塗装となるため手間と時間が余計に掛かります。
腐食の有無によるパウダーコート仕上がりの違い
その1・・「虫食い、陥没、腐食」無しのパウダーマットブラックワンコートフィニッシュ
宮城県のお客様・・・曲り、ガリ傷無しで腐食も全くない程度良好な2Psハメ殺しのWORKみたいなメーカー不明のホイールですが、リムとディスクの溶接?ぎ目隙間にやや難点が有りますがパウダーコートはほぼ問題無く仕上がります。
剥離層で剥いで肌確認した感じでは素地に大きな腐食が有りませんので一安心です。
剥離からブラスト掛けてハンドアクション研磨してパウダーコートの下処理して水気を完全に飛ばすために120度の空炊きをします。
パウダーマットブラックの静電噴射!
エアーバルブも個別にパウダーコートしてホイールのパウダーマットブラックのワンコートフィニッシュも発砲無く上手く行きました。
2Psハメ殺しは1Psと同様にインナーリムから側面リムまで丸塗りのパウダーコートになります。
曲り、ガリ傷修理の有無より腐食が無い事がパウダーコートの仕上がりを大きく左右します。
その2・・「虫食い、陥没、腐食」有りのパウダーブラックから溶剤ブラック手直し
静岡県のお客様・・・地元隣県にパウダーコートするお店は数店有るようですが修理が酷いため修理が上手く出来ないとの事でのご依頼です。酷い修理などは治せますがそれより「虫くい、腐食」の方が大きな課題となった修理フルコースからのパウダーコートのため宮城県のお客様の倍近い納期と料金が掛かりました。
まずは曲りチャックして4本皆表裏の曲り修理に入ります。※写真全部は入りきれませんので極一部です。
パット見は判断しにくいタイヤ側へ押し込まれた曲り
曲り修理からガリ傷への溶接肉盛り修理
リム修理を完成した後「虫食い、腐食、陥没」が見えて来ます。
パウダーコートでは腐食痕が一番厄介で確実に発砲します。
気泡、発砲は覚悟してパウダーグロスブラックの静電噴射!
腐食痕はこんな感じに発砲します。これでは見た目が悪いですので当然手直しになります。
ブツ、湧き、発砲部をサイディングしてパテ埋めやサフで肌を整え平滑面出しをします。1回では上手く行きませんので「埋めては塗り」を数回繰り返します。
インナーリムから側面リムはなるべくパウダー肌を残したいですのでひと手間かけてマスキングからデザイン表面を溶剤ブラックでお化粧塗装します。
パウダーコートは今回ベースとなって溶剤ブラックのお化粧塗装で長い長い道のりでようやく完成です。
インナーリムから側面リムをマスキングしてパウダーコート肌を残す理由・・・
裏リムは普段汚れっぱなしでメンテ掃除が出来ませんので「頑丈肌で密着性が良く塗装が剥げにくい・熱に強いためパットカスが付きにくい・汚れ付着がしにくいため汚れ落ちが良い・黒は汚れが目立たない」などの利点からインリムへのパウダーコート肌を残す理由と目的です。
溶剤ブラックで腐食痕はほぼ消えてなくなりました。
腐食の酷かったホイールは上記案内のその1・・「虫食い、陥没、腐食」無しのパウダーワンコートと比べて納期、料金は倍近くかかりました。
曲り、ガリ傷より腐食の有無こそが最大のポイントです。
再塗装や磨きのリフレッシュ・リメークは基本土台となる曲り、ガリ傷修理がきちんと出来てからの話しですが、パウダーコートやバレル研摩その他ポリッシュ仕上げなど曲り、ガリ傷の云々より「腐食、虫食い、陥没」が最大の難題となり仕上がりや納期、料金が大きく変わって来ます。
※新品でも中国製の鋳造(CAST)ホイールはパウダーコートフィニッシュに不向きな場合が一部有ります。
4本フルリフレッシュ・リメークに限り送キャンペーン中!
お問い合わせやお見積もりは会社メール
nishi@243ok.co.jp の方へお願いいたします。
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2012.11.23
OZペガソ17インチのリフレッシュ/パウダーコートの不具合について
腐食の酷いOZペガソ17インチのリフレッシュ・リメークです。
ペガソは今回イン、アウト、ディスク3パーツみな粉体塗装(パウダーコート)フィニッシュ仕上げの予定でしたが、アウトリムの腐食虫食いが酷かったためにパウダークリアーでは不具合が出てしまい急遽、溶剤硬質ウレタンクリアーへ変更となりました。
粉体塗装(パウダーコート)は素材の程度により「可・不可」が決まりますので、パウダーコートの不具合などについて詳しくご案内します。
OZペガソ17インチ粉体塗装(パウダーコート)によるリフレッシュ・リメーク
東京都のお客様・・曲りやガリ傷などは全く問題有りませんが、アウトリムのポリッシュの虫くい腐食が酷いためポリッシュの仕上りが心配なOZペガソです。
インナーリムの塗装を剥いだら腐食カビだらけ!
パウダーコートの前処理でインナーを 丸ごと研磨します。
パウダーグロスブラック噴射!
センターディスクは腐食が少ないためパウダーコートは旨く行きます。
パウダーグロスブラック噴射!
■・・・今回のテーマ・・・■
腐食の激しいアウトリムへパウダークリアーコートは旨くできるのか?
手付かずの自然な曲りですのでこの程度の曲り修理は全く問題ないですが、ポリッシュ腐食が酷いためパウダーコートに対応できるかが不安です。
深いエグレは研磨しても取れません。エグレやガリ傷を肉盛りぜず傷が消えるまでひたすら削り落としするのを削り込み研磨修理といいます。そうすればリムの形が変わり肉厚が薄くなりますよね・・・・
曲り、エグレ修理からBBFバフポリッシュ仕上げの完成!(ノークリアー状態)
BBFバフポリッシュの時点では巣穴はさほど目立ちませんのでバレル研磨を掛けて検証します。
他のディスクを仮付けしてバレル研磨機にセッティングしてバレル仕上げ研磨!
バレル研磨すれば虫食い、腐食の痕跡がはっきりと見えて来ます。
素材自体が侵されていますのでいくら磨いても虫食い、腐食は完全には削除はできません。
気泡が出ないのを祈りつつだめ元でパウダークリアーを噴射! これも経験です。
パウダーコートは200℃の高温焼付けため予想通り虫くい、腐食跡から異物、沸きの気泡が出て来ました。 またクリアーを剥いで研磨からやり直しです。
もう一度バレル研磨して溶剤硬質クリアーで塗り直しです。
溶剤クリアーは60℃の低温焼付けため気泡はほとんど発生しません。
クリアーは透明ですので虫くい腐食痕は透けて見えます。
個別の各パーツ完成後にピアスボルトは研磨してから装着合体完成!ロゴシールも当店で複製製作しました。
インナーリムも虫くい腐食が酷かったため多少の異物、気泡は出ていますがインナー裏側ですのでアウトリムのように塗り直しは今回無しです。
虫くい腐食の酷いモノでも溶剤クリアーなら発砲現象はほとんど出ません。
パウダーコート発砲現象について
↓
リム一部に腐食が有りますが、その周辺はブツ発砲が確実に出ます。
ブツを研磨して溶剤カラーで手直しです。
インリムの腐食痕からのブツ発砲現象
※インリムですので多少のブツ発砲は手直し無しになりますが、これは酷すぎますので剥離して溶剤ブラックに塗り替えです。
アウトリムポリッシュの腐食痕からのパウダークリアーによるブツ発砲現象!
※クリアーを剥離して磨き直しからの溶剤クリアーの一からやり直しです。
こちらは腐食より巣穴ピンホール現象です。中国産ホイールで素材が悪く元々巣穴だらけの鋳造ホイールのためパウダーコートすれば巣穴から空気、気泡が全体的に多く出てきますのでこれもパウダークリアーは不可です。
静電式(固体)「パウダーコートクリアー」はポリッシュへのオンクリアーとして現時点では最強のクリアーですがパウダークリアーにも一長一短が有ります。
■パウダークリアーの長所■
1・地金素地への密着性が高い
2・退色性、耐光性が有り色褪せしにくい
3・頑丈な樹脂膜で塗装肌が固く干渉傷や飛び石に強い
パウダーコート肌実証動画 https://www.youtube.com/watch?v=EwgV3IQNJiU
■パウダークリアーの短所■
1・素材を選ぶ(一部海外製など質の悪い鋳造ホイールは不純物が多いためブツなど発砲を起こします。)
2・腐食の有るモノも腐食痕周辺からブツなど発砲を起こします。
3・ポリッシュ光沢がやや引きます。
4・1Psなどディスクや窓部など溶剤カラーを塗って有るモノは温度差の関係上パウダークリアーと混合が出来ない
5・2Psハメ殺しはリムとディスクの僅かな隙間から異物や気泡が出ます。
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