仕上げ実績・ブログ
2011.03.09
AMG「モドキ」1Ps18インチの大きな割れ修正
パット見、AMGのようですが実はこれ中国産の「モドキ」鋳造1Psです。
このデザインの本物のAMGは鍛造2Psです。
ちなみにブラバス「モドキ」も頻繁に修理が来ます。
アルミ素材があまり良くない鋳造品の上、ディスク部はハイパー塗装でしかもプラ製のダミーボルト付きとなれば修理の困難さが見えてきます。
そんな訳で本物より「モドキ」の方が修理代は割高になります。
ホイール本体の歪みや振れが無ければこの程度の修理ならほぼ完全に修理できます。
パックリと口を開けて、普通は諦めるレベルのダメージではありますが、1本のみの新品入手不可のためどうしてもとの事で、やや納期(30日)を頂き修理いたしました。
付きっ切りでやれば1~2日位でできますが、その間他の仕事が溜まってしまうため納期をいただきます。(各塗装の乾燥時間は余分にかかります。)
オモチャみたいなボタン式のダミーボルトで、トルクスの刻みも、もちろんただのデザインです。
溶接や塗装のためまずはダミーボルトを外す事から始まります。
プラ製の装飾品ですので工具を使えば頭が潰れるし、熱を与えれば溶けるし、ラジペンで引っ張れば欠けるしとダミーボルトを外すだけで余計な時間がかかります。
ダミーボルトについてはこちら
ダミーボルトも無事に外し終わりいよいよ修理となります。
まずはパックリ口を開けたリムをプレス機にて元の位置へ戻します。
溶接箇所の塗装を剥いで割れた箇所を開先をとり溶接となります。
しかしそれからがリム表裏全体を包み込むように大掛かりな溶接にてのリム復元となります。
普通は割れた箇所だけの溶接とお考えでしょがそれでは本来の形がでません。
プレスして大まかな形は出せても凸凹状のままで外周も本来の形状では無いためです。
カラー塗装の場合はそれらをパテ埋めして誤魔化せますが、ポリッシュアルミ剥きだしのためそれはできません。仮にカラー塗装であってもパテ埋め誤魔化しなど意地でもしませんが・・・・
全てハンド研摩による研摩形成です。
リムとディスクの境目に溝が彫ってあるためその溝の復元が難しいところです。
修理と言うより工作の時間です。
それ以外のガリ傷はついで作業でただみたいなモノです。
リム部の原型修復、荒研摩を一旦終了して、ここからディスク部の塗装となります。
ディスク部の一部溶接形成と溶接熱で損傷したその周辺のみハイパー塗装用の下処理となります。
ここからが当店自慢のハイパー塗装の部分仕上げです。
ディスクハイパー塗装後、リム鏡面研摩して無事完成です。
ディスク部は丸塗りハイパー塗装ではありません。
焦げてしまった箇所のみのハイパー塗装です。
ハイパー塗装もべロッと塗装を剥いで、丸塗りの方が簡単ですが他の3本と確実に色ずれを起こします。
通常どのお店もハイパー塗装の傷の大小に関わらず丸塗りが一般的です
当店独自のハイパー部分塗装は周りとなじんで色ずれ違和感も無く仕上がります。
ハイパー塗装部分修正についてはこちら
お客様がここまで治るとは思っていらっしゃらなかったようで非常に感激されました。
私から言わせると1Psの割れ修理自体はさほど難しいものではありません。
モノチューブカールリムの曲りの方が遥かに難しいです。
今回の修理はモドキのため厄介な装飾品のハメ殺しプラ製ダミーボルトの取り外しや溶接のによるディスク部までのハイパー塗装の塗り直しなど、メインの割れよりそれに付随する余計な作業が難儀な仕事となります。
ピアスボルトが本物でディスクが外れるタイプはリム単体で修理できますので結構簡単に直せます。
リフレッシュ・リメークなどの塗装磨きのカスタム作業は風貌が変化して行く様子にやる側も楽しみもありますが、ホイール修理はよりオリジナルに近づけて使える様に元に戻す仕事のためあまり楽しいとは言えません。
しかしホイール修理がきちんと出来て初めてカスタムへと繋がります。
塗装や磨きは設備と機械さえあれば何とかなりますが、
ホイール修正は完全ハンドメイド作業のため経験と勘こそが全てです。
単品修理から4本組リフレッシュ・リメークによるカスタムなど、あらゆるニーズにお答えいたします。
1本修正ついでに4本イメージチェンジなどご相談ください。
単品修正品は片道送料当店負担となります。
(有)オートサービス西のHPはこちら
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