仕上げ実績・ブログ
2011.08.30
4駆用鉄ホイールと鍛造アルミホイールへのパウダーコート
4駆用の鉄ホイールとエンケイ鍛造アルミホイールへの丸塗りパウダーコートのご紹介です。
パウダーカラーでも一見、別に何て事のない普通のカラー塗装のホワイトとオレンジに見えますが、パウダーコートは「塗装膜」と言うより「樹脂皮膜」がベッタリ素材へ、へばり付いた感じで塗装肌が厚く頑丈になり、傷が付きにくく、熱にも強く、耐久性・耐候性は有機溶剤系(液体)ウレタン塗装の比ではありません。
欠点として部分修正塗装が出来ない事とカラー調色が出来無い事です。
4駆用鉄ホイールへのホワイトグロスパウダーコート
山梨県のお客様・・パウダーコートは電気による「粉」の静電式ですので鉄はアルミより通電し易い特性があります。その反面、扱いが重た過ぎて腰痛になりそうです。またパウダーはバルブ穴へ鉄の棒を付けて吊り下げますのでパウダーに触れないように手を伸ばして手力だけでセッティングしますので腕力が無いと鉄ホイールへのパウダーの仕事はできません。今の内だけです。(笑う)
前回赤とガンメタの後塗りをしてありましたが、下処理も何も無くいきなりの上塗り塗装でしたので剥離溶剤で簡単に剥げました。
5本一気に剥いでやりたいところですが、鉄はしばらく放置するとすぐに赤サビが出てしまいます。赤サビはパウダーの大敵です。そのため今回はまずは1本だけ仕上げて後は2本づつして、計3回に分け日にち置いていたしました。
溶剤剥離からのブラスト研磨です。ブラストや下処理の良し悪しでパウダーの仕上がりが決まります。赤サビ腐食が無いか良くチェックします。
サビが出る前に、ここから一気にパウダーコートの準備に入ります。
鉄は無垢の状態では錆びやすいためアルミのように貯め置きが出来ません。
静電チェックしてパウダー噴射!・・とりあえず1本だけ釜焼きまで完成させます。
5本中1本完成! 作業効率が悪い上に電気代の無駄・・・
数日後、2本完成!計3本完成!
残りの2本はまた数日後、剥離から同じ事の繰り返しです。
数週間後、無事5本完成しました。
パウダーコートは表、裏、側面のホイール全体を包み込むように丸ごと「粉」を降り掛けますので裏、側面も綺麗になります。
エンケイESターマック16インチオレンジパウダーコート
埼玉県のお客様・・溶剤ホワイトからグロスオレンジのパウダーコートです。
アルミ鍛造ですので先ほどの鉄16インチからすれば指2本で持てるくらい取り扱いが楽です。
まずは大雑把に塗装を剥いで、シビアーに曲りとガリ傷修理から始まります。
曲り修理後のアルミ肉盛りです。 足りないところは足す。
曲り、ガリ傷修理の研磨形成はいつものように完璧です。
※パウダーコート用の「耐熱パテ」も有りますが、基本「リム端しへ」はパテは使いません。 リム端しパテを使えばどうなるかお解りですよね・・
修理から研磨形成によるパウダーコートへの下処理完了です。
腐食、油分、水分完全削除のため高温空炊きします。
パウダー噴射終了後です。
これを釜で焼いて粉が溶け樹脂のような濃厚なオレンジになります。
釜焼き後、肌の締まりを良くするためにリフターへ吊るして常温冷却!
オレンジグロス、パウダーコート完成!
基本・土台となるホイール修正がまずしっかり出来でこそリフレシュ・リメーク・カスタムへと繋がります。
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