仕上げ実績・ブログ
2011.09.09
スーパーアドバン16インチへのパウダーコート&溶剤ウレタンカラー塗装
スーパーアドバンのリムとディスクを分解後、「違う塗装方」でそれぞれ塗り分けます。
2Psリム部はのパウダーコートによる丸ごとゴールド塗装!
ディスク部は溶剤ウレタンカラー調色によるのカッパーレッドマイカ塗装!
塗り分け自体は普段通りですが、このアドバンは特殊構造のためホイールの分解、合体に手間と時間がかかりました。今回のような特殊な構造の「分解・合体」工賃は見直さなければ・・・
スーパーアドバン パウダーゴールド塗装&溶剤カッパーレッドマイカ塗装
滋賀県のお客様・・リム部は「パウダーコート」ディスク部は「溶剤ウレタンカラー」の異種塗装です。
それぞれ「下処理の違い、焼付け温度の違い、材料の違い、塗り方の違い、仕上がりの違い」など長所、欠点もある2通りの塗装方の合体式です。
1Psホイールのこの方法の場合は焼付け温度の高いパウダーを先に塗って仕上げてからマスキングして溶剤ウレタンで被せる方法で、1Psホイールも塗り分け可能です。
●2Psリム部のパウダーコートゴールド塗装●
まずはリム曲り修理から入ります。
お客様が丁寧に曲り箇所をお知らせして頂いてますが、良く検品すればそれ以外も結構曲っている事があります。
曲り修理後、いよいよ分解作業にはいりますが、これが最大の難所です。
分解できない事には先へ進めません。
難関箇所・・ピアスボルトがディスクの出っ張り傘の奥下へ隠れるようにハメ込んであるため工具が入りません。 さてどうしたモノか?
工具を改造して予行練習に1本だけ分解、合体を試してみました。・・時間はかかりますが、何とか旨くいきました。
でも本場の塗装完成後、合体が難儀する事は想像がつきます。あせらず時間さえかけてじっくりやれば何とか行くでしょう。
無事リム単体にしてここから普段通り剥離からブラスト研磨、空炊きのパウダーコート前の下処理準備です。
静電チェックOK!パウダー噴射
専用釜にて180℃で50分ほど焼付けします。
パウダーコートからクリアーコートして2Psリム部の完成です。
●ディスク部の溶剤ウレタン焼付けカラー塗装●
塗装剥離からブラスト研磨です。
仕上げが溶剤カラーですので、通常は同質の溶剤系下処理塗装です。
※地金素地への密着性の向上から下塗装の役目としてパウダーコートもお勧めします。(別途追加料金です。) パウダー下塗装は、粉が熱により溶かされて金属素地へ樹脂がベッタリと「へばり付いた状態」となります。その特性上、金属素地への密着性は溶剤サフよりパウダー下塗装の方が断然有利です。
カッパーレッドマイカ(カラーNo.32V)を調色してメインのカラー塗装仕上げ!少しパールが入ってます。クリアーコートしてディスク部の塗装の完成です。
ピアスボルトも個別に洗浄研磨! (4本リフレッシュオーダーに限りこれは無料作業です。)
改造した工具を駆使して、リムとディスクに傷が入らぬように緊張しながら二人がかりで1本ずつ丁寧に締め付けていきます。デザイン面へ傷を付ければ、また塗装からやり直しとなるリスクの高い作業でした。
人間の緊張感は何時間も持続できませんので、1日にホイール1本ペースで締め付けていきました。あせらずに4日かけて無事合体完了です。
●溶剤系カラー(液体スプレー式)は、車のボディーカラーと同質ですので、耐久性は十分なレベルですが、傷に弱く、剥がれ易く、退色性に劣ります。しかし最大の利点は調合次第で無限のカラーが作れる事と部分修理、部分塗装が可能な事です。
●パウダーカラー(固体静電式)は調色が出来ない 、部分塗装や重ね塗りが出来ません。しかし最大の利点は密着性、退色性、耐久性は溶剤カラーよりも断然勝ります。
完全無欠の塗装はこの世に存在しませんので、全て一長一短があります。
目的に応じて使い分ければそれが、ベストな塗装の選択です。
スーパーミラーポリッシュ・BBF鏡面研磨・ハイパー塗装・ウレタンカラー塗装・粉体パウダー塗装など、磨きや塗装が出来ても、基本・土台となる確実な修理、修正が出来てないと見た目だけ綺麗にしても意味がありません!!
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