仕上げ実績・ブログ
2013.04.14
二輪バイクホイールのアルミとマグのパウダーコート
同じデザインのバイクのホイールですが「白い方がマグ」で「黒い方がアルミ」です。
同時期に入庫しましたので同時進行で両方共にパウダーコートをしますが、アルミの方と違いマグは修理が難しい事と剥離方や特別な前処理さらに最終フィニッシュ方が違いますのでマグはアルミの倍近い料金になります。
乗用車のマグホイールも同じ条件です。
二輪バイクのアルミホイールとマグホイールのパウダーコート
その1・・バイクアルミホイールのパウダーグロスブラック/フィニッシュ仕上げ
島根県のお客様・・・裏表傷だらけのバイクアルミホイールです。
組み換え傷も今回は綺麗に直します。
小さな曲りは有りましたがそれを直してバイク専用の研磨機でリム研磨してパウダー前の120℃空炊きをします。
静電チェックしてパウダーグロスブラックの噴射!
パウダーグロスブラックの完成です。
虫食いや腐食の無いアルミホイールの場合はパウダーグロスブラック肌のフィニッシュが可能です。パウダーフィニッシュは素材の良し悪しで「可・不可」が決まります。
※パウダーフィニッシュは耐久性が有り頑丈肌となりますが溶剤仕上げに比べればレベリング、ビジュアルは溶剤よりやや劣ります。
その2・・バイクマグホイールのパウダーホワイトベースからの溶剤カラー仕上げ
東京都のお客様・・曲り、削れ、クラック有りのマグホイールです。
削れは問題無しとしてマグのクラック修理はメーカーやモデル、年式などでマグ合金の造りが全て違いますので同じ割れ方でも治るモノと治らないモノが有ります。
微小な割れでもマグホイールの割れ修理はすべて治るとは限りません。
マグの塗装を剥離してから溶接準備として大きき開先を取って治るか治らないか、一応トライしてみます。
表裏包み込むようにマグ溶接します。溶接の時点で気泡や空気湧きが出ると修理不可となって返品となりますが今回の素材は治りそうです。
溶接痕を表裏綺麗に研磨してマグの大きなの壁となる割れ修理が出来ました。
これからは塗装に入ります。
※素材自体からの巣穴、気泡、湧きが出るようでしたら修理不可です。
リム研磨とディスク研磨の下処理はアルミと同じ工程ですがこれからパウダーコートの前処理にはアルミにはないマグ専用の下処理が有ります。
マグ専用の下処理をしてベースとなるパウダーホワイトを噴射!
マグの場合はパウダーコートはあくまでもベース利用ですのでこれからさらに溶剤カラーのためのサイディング下処理をします。
※写真ではそこそこに綺麗に見えますが実際のマグのパウダーフィニッシュ肌の仕上がり感や見た目はあまり良く有りません。
高温焼き付けのパウダーではマグの素材の特性上パウダー肌の仕上がり時では若干のチジミ、湧き、ブツなどがどうしても出てしまうためパテやサフで修正して平滑にして低温焼き付けの溶剤カラーでお化粧塗装となります。
パウダーコート肌の上に溶剤ホワイトカラーを重ね塗りして完成です。
当然トップコートも溶剤クリアーのトップコートとなります。
当店の溶剤クリアーは二液型2:1の高級硬質肌のクリアーを使っていますので肉持ち感有るトップコートです。
※「主剤2に対して硬化剤1」の二液型は硬化剤の比率が多いほど塗料代も高価になりますが硬化剤が多ければ塗装肌は固くなります。
ちなみに新品量産は硬化剤のない一液型のクリアーが主流です。
アルミとマグの修理と再塗装について
アルミの曲りやクラックなどよっぽど酷くない限りほとんど治せますが、マグの場合小さな曲りや小さなクラックでも治らい場合が少なく有りません。
また再塗装にしてもアルミは剥離から溶剤塗装も可能ですがマグ合金の特性上、酸化腐食が早いため塗装の密着性が極端に劣り素材自体からの反応を起こすためいきなり溶剤塗装など出来ませんのでベース下地としてパウダーコートは必須条件です。
マグはアルミより多くの特殊な下処理を要します。
まずは、剥離からですが、マグネシウムは剥離剤やブラストで安易に剥離すると素材を痛めますのでマグ専門の剥離工場への外注依頼となります。
マグの塗装剥離後にマグ専用の下処理の皮膜形成処理やプロテクターを付着させより耐久性の向上を図っています。
ベースとなるパウダーコートを静電付着して最後に溶剤ウレタンカラーでお化粧の塗装となります。
アルミの再塗装と違いマグの再塗装は以下の工程が必須です。
1・マグ塗装全面剥離 外注依頼(アルミは自社剥離)
2・化成処理 (アルミは必要無し)
3・マグ専用プライマー (アルミは必要無し)
4・パウダーコート (アルミはパウダーフィニッシュ可)
※アルミはパウダーフィニッシュ可能ですがマグはあくまでもベースとしての利用です。
※注)それなりのマグ専用の下処理をしたからと言って完全とは言い切れません。それは新品卸のマグ塗装でもチジミや剥げなど起きてますので塗装劣化はマグの特性宿命です。
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※「曲り、割れの大きいモノ」・「歪の有るモノ」・「修復歴の有るモノ」・「ワイヤーホイール」などは修理リフレッシュが出来ない場合が多くあります。
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