仕上げ実績・ブログ
2016.01.09
BBS-RID19インチ&RS-GT17インチ/パウダーコートによるDBKとDSK
溶剤のハイパー塗装は一般的な溶剤メタリック塗装とは違いメタル調の高級感有る特殊な高級塗装で社外ブランドホイールは基より高級車の純正ホイールにも多く採用されています。
溶剤のハイパー塗装はベースから銀膜添付、トップコートまで多層の重ね塗りのため肌がデリケートで塗装が剥げ易く脆いのが溶剤ハイパー塗装の最大の弱点欠点でも有ります。
そんな溶剤ハイパー塗装の弱点欠点を解消するのが新種のパウダーコート「メタルコート&スーパークリアー」によるパウダー2コート組み合わせで表現する(DBK&DSK)です。
パウダーコート(DBK&DSK)は200℃高温焼き付けの塗膜では無く樹脂膜のため「密着性、耐光性、耐色性、耐熱性、頑丈肌」など溶剤ハイパー塗装の比では有りません。「丈夫で長持ちお手入れ楽々」で耐久性やメンテナンスの面ではパウダーコートによる(DBK&DSK)がお勧めです。
パウダーコートによるDBKとDSK
その1・・BBS-RID19インチ1Ps/パウダーコートDBK
神奈川県のお客様・・・BBS-RID19インチの溶剤DBKです。地面に落とした時の塗装剥げですが、溶剤のハイパー塗装は肌が脆いためちょっとした衝撃干渉で塗装が剥げてしまいます。
傷修理では有りませんので塗装を剥いでブラスト研磨してリム研磨
パウダーコートですのでバレル研磨までします。
1コート目のパウダーミラークロームの静電噴射!
何となくメッキっぽいパウダーミラークロームです。
インナーリムから側面リムもメッキみたいな光沢になります。
2コート目のパウダースーパークリアーの静電噴射!
パウダーコートによるDBK調の完成
一体型1Psホイールの溶剤ハイパー塗装の場合インナーリム、側面リムはベースカラー残しになりますがパウダーコートDBK・DSKの場合はインナーリムから側面リムまで全て同色になります。
溶剤のハイパーブラック(DBK)と全く同じ表現にはなれませんが現時点でのパウダーコートによる溶剤DSKに一番近似では有ります。
フルパウダーコートフィニッシュですので少々の衝撃干渉には耐えうる肌となり塗膜がポロポロ剥げる心配は有りません。
※注意):腐食が酷い場合は腐食周辺箇所はパウダーコートとはいえ密着性が劣りますので剥げる原因にもなります。
溶剤のハイパーブラック(DBK)に比べて色合い的にやや異なりますが、肌の弱い溶剤DBKの色調重視か色合いがやや違ってもパウダーDBKで耐久性重視かの選択になります。
その2・・BBS-RS-GT17インチ2Ps/パウダーコートDSK
石川県のお客様・・・BBS-RS-GT17インチのDSK-Pです。曲りガリ傷は有りませんが腐食がやや進行中です。
※腐食の度合いによりパウダーコートによる腐食周辺一部が発泡する場合も有ります。
キャップのハメ外しの繰り返しでキャップとの干渉で塗装肌を痛めて起こる溶剤ハイパー塗装特有の塗装剥げです。
塗装を剥いだら良く解りますが地金まで腐食が浸透しています。※角部は特に塗装が剥げやすい箇所です。
塗装剥離~ブラスト研磨~ハンドアクション研磨~バレル研磨と確実な下処理をしますが地金まで浸透した腐食がこれで完全に取れるモノでは有りません。
1コート目パウダーメタルコートの静電噴射!
1コート目のパウダーメタルコートで銀色に輝くメッキ調になりその上にパウダースーパークリアーを塗ればハイパーシルバー(DSK)調になります。
2コート目のパウダースーパークリアーの静電噴射!
アウトリムのBBFバフポリッシュ完成です。
※一部腐食痕が残っていますのでパウダークリアーする事により腐食箇所が一部発泡する場合も有ります。
2Ps本体のインナーリムから側面リムはパウダーカラー塗装では無く無垢の状態へのパウダークリアーになります。
磨き込んだアウトリムから本体丸ごとのアクリルパウダークリアー静電噴射!
心配した腐食痕によるパウダークリアーの発泡現象は近くで凝視して見えるレベルですのでこの程度は良しとしてください。
※腐食による微小な発泡を指摘する神経質なお客様も一部いらっしゃいますが、地金組織を犯した腐食痕などいくら磨いても削除出来ませんのでその辺りは良くご理解の上お願いします。
ピアスボルトを洗浄研磨して組み付け完成
カラー塗装なら腐食部にパテやサフ埋めてカラー塗装で腐食部は隠れますが、ポリッシュは磨きによる素地表現のためカラー塗装の様に誤魔化しが効きませんので腐食痕残りは避けられません。腐食がそこそこ取れるまで追い込んだ研磨をすればリムが薄くなり終いにはリムが無くなってしまします。
インナーリムから側面リムはパウダーコートカラーでは無く無垢の状態からのパウダークリアーによるコーティングになります。
このRS-GTはそこまで腐食が酷く有りませんでしたので上手く行きました。
再塗装&再磨きリフレッシュ・リメークはパウダーコートに限らず曲りやガリ傷云々より「虫食い、腐食」の有無こそが仕上がりを大きく左右します。
装着写真を頂きました。
パウダーコート(DBK&DSK)は200℃高温焼き付けの樹脂膜のため「密着性、耐光性、耐色性、耐熱性、頑丈肌」など溶剤ハイパー塗装とは比べモノにならないレベルですが、完全無欠な塗装などは有りませんので弱点欠点も有ります。
・・パウダーコート(DBK&DSK)の弱点欠点・・
1・パウダーコートは粉(個体)の静電気蒸着方のためプラ樹脂製は通電せず高温焼き付けに耐えきれませんので金属製以外のモノは施工が出来ません。
2・液体ガン吹き溶剤塗装の様に臨機応変に部分塗装修理が出来ません。
3・200℃高温焼き付けのため「虫食い、腐食、巣穴」の酷いモノは空気発泡現象が起きます。
4・パウダーコート(DSK)は溶剤DSKとほぼ同じ色調色合いになりますが、パウダーコート(DBK)はやや青赤みが有り溶剤DBKとは若干の色ずれが有ります。
【溶剤ハイパー塗装とパウダーコート塗装肌の強度比べ】 実験YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=EwgV3IQNJiU
■溶剤ハイパー塗装の特性のおさらい■
ハイパー塗装は一般的な調色した溶剤2コートカラー塗装と違い4~5層の塗装を重ねたレイヤー式のメタル調表現のため密着性を犠牲にして成しえる高級感あるハイパー塗装になります。
ハイパー塗装はベースカラーの上へ銀膜から最終のトップコートまでの中間塗装はサイディングや密着剤添付が出来ません。つまりベース上の中間から上の層まではバームクーヘンのように挟んで重ねてあるだけのため密着が悪くなり飛び石に弱く、また取り付け時の工具干渉やタイヤ組み付け傷など付きやすく塗装肌が軟弱な事が最大の弱点ですのでタイヤ組み付けや装着作業また普段のメンテなど極デリケートに扱いう必要が有ります。
それら密着性を犠牲にして特殊なカラー表現ですので高級特殊塗装と言われる(ハイパーやスパッタリングメッキ)は重ね塗り手法のためカスタム塗りも社外量産新品や純正ホイールなどハイパー塗装は全て高圧洗浄機や洗車機は絶対厳禁です。
※ハイパー銀膜の上に直接クリアーコートして有るためリムへシールなど貼ってシールを剥いだ時にクリアーも付いて剥げる事も有りますのでご注意ください。
再塗装や磨きによるリフレッシュ・リメークは基本土台となるホイール修理が出来てからの話しです。
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(有)オートサービス西