仕上げ実績・ブログ
2011.05.19
スーパーミラーバレル研磨からパウダークリアー仕上げ!
BBS-RGR17インチのスーパーミラーバレル研磨からポリッシュへのオンクリアーは当店初のパウダークリアーフィニッシュ仕上げを試みてみました。
ポリッシュへのオンクリアーは通常、焼付け硬質のウレタンクリアーとなりますが、ポリッシュ面へのクリアーは地肌がツル肌のため密着性、耐久性にやや難があります。クリアーの劣化、退色、飛び石傷による水の浸入で白錆び、ミミズシミはオンクリアーには避けられない宿命です。
ポリッシュオンクリアー、シミ・腐食についてはこちら
そこでの塗装膜の硬さと耐久性からその特性を生かしてパウダークリアーを今回噴射してみました。ポリッシュホイールへの新たな表面保護用塗装として硬くて頑丈なカチカチ肌なら傷やシミも入りにくいだろうと期待して、より良い物が提供できればと常に研究模索しています。
個人向けにカスタムでミラーポリッシュ仕上げからパウダークリアーコートするお店はそうは無いと思います。
RGRスーパーミラーポリッシュ(2次元)からパウダークリアー仕上げ
長野県のお客様・・2次元ミラーポリッシュ後、パウダークリアーをかけました。
ミラーポリッシュフィニッシュから比較すれば光沢、艶感は1~2割ほど引いた感じで鈍い光沢となりました。
ヨーロッパのミラーポリッシュホイールはクリアー塗装が分厚く塗ってありますのでそれらと、同レベルの光沢感かと思います。
元のハイパー塗装(DBK)を惜しげもなく表、裏完全塗装剥離から始まります。
もちろんガリ傷も直してリム研磨してあります。
地味なハンド研磨からその後バレル研磨機での荒研磨です。
通常のBBFバフ研磨してから仕上げ用バレル研磨で光沢がでるまで何回も回します。
洗濯機の様に見えますが、特許機械のバレル研磨で斜め上下左右に動き泡を発たせてセラミックで磨き込めばホイール丸ごと見事に光ってきます。
磨きは研磨ですので、パウダーカラーの下処理にもメディアを変えてこの機械を荒研磨用としても利用しています。
鏡面仕上げ完成後、パウダークリアーの発射です。 (期待と不安)!
パウダー(粉状)噴射後は小麦粉をふりかけたみたいで真っ白けのため焼いてみないと結果が解りません。
180℃の釜で焼くこと約50分! いい感じに仕上がりました。
白い粉が高熱で溶かされ塗装膜と言うより透明な樹脂がアルミ素地へべったり均等にくっついたような感じでいかにも頑丈そうな肌をしています。
心配していた「クリアーの透明度」・「肌のモコモコ感」・「塗膜のムラ」・「大きな塗装波」などは一応クリアー出来ていると思いますが、塗膜が厚い分、ポリッシュ光沢艶引きは否定できません。
溶剤ウレタンスプレー塗装に付き物のゴミ噛みやブツなどもほとんど目に付かないレベルです。
●パウダークリアーの結論●
鈍い光沢でややの艶引き感は、溶剤ウレタンクリアーと比べて1割減ほどか思います。しかし塗装肌の頑丈差はウレタンクリアーと比べ物にならない硬さです。
施工する側として簡単な設備で気軽に塗れる溶剤クリアーと違い、粉の材料コスト面や塗装準備、搬入、釜設定など面倒な準備が多く失敗した時の手直しのリスクも高くなる事が悩みです。
ミラーポリッシュフィニッシュ光沢のノークリアーを10とすれば
光沢艶引き感は溶剤ウレタンオンクリアーが1割減の9として
パウダークリアーは2割減の8と言ったところでしょか?
※あくまでもミラーポリッシュへの艶引きの事で、HDブラックなどカラーフィニッシュしたパウダーの艶が低いと言う意味ではありませんので、勘違いなくお願いします。
カラーパウダーは溶剤カラーに負けない位、テカテカの光沢となります。
ただカラーバリエーションが少ない、また調色が出来ないのが欠点です。
ノークリアー&溶剤オンクリアーの光沢、艶先行のビジュアル重視か?
パウダークリアーによる若干の艶引きを犠牲にして耐久性重視か?
の選択となります。
ミラーポリッシュ後のオンクリアー(パウダー&溶剤)・ノークリアーなど全て一長一短があります。お客様のご予算ご希望に応じて対応いたします。
オンクリアー&ノークリアーとミラーポリッシュユーザー修理例についてはこちら
カラー塗装ホイールと違い素材自体の表現ですので、ガリ傷修正など肉盛り研磨形成を要する修理は技術の差が大きく出る誤魔化しのきかないのがポリッシュホイールです。
外車・国産車純正ホイールや社外品ホイール問わずスーパーミラーポリッシュ可能です。
(有)オートサービス西HPはこちら